天邪鬼と糖分 ‪@Asahi_Hotaru ‬

糖分を欲している天邪鬼によるブログ

保険を解約した3ヶ月後に諭吉が7人死んだ

 

90年代音楽のテレビCMの中ではthe brilliant greenの「There will be love there -愛のある場所-」がダントツで1番です。

 

 

 

アサヒです。

 

 

 

https://youtu.be/fzCbzGDdgDQ

 

 

 

なぜか幼い記憶の中で微かに残っているこのテレビCM。楽曲もさることながら、それを売るためのテレビCMとしてのキャッチーさと来たら。楽曲の持つイメージを損なわせず、なおかつ楽曲の持つメッセージ性を押し出す設定としての郵便配達には絶妙さを感じる。なんと言っても、郵便配達員役のダンカンがいい味を出している。

振り返ってみると、当時としては物珍しいタイプだったようにも思える。当時の音楽CDのテレビCMと言えば、その楽曲のプロモーションビデオにおけるサビ部分を切り取りそのまま引用したものが主流。そんな中で、楽曲とは直接的には関係の無い内容を表現し、視聴者を食いつかせる存在としてのテレビCMはある意味で大胆さがあったと思われる。おそらく、プロモーションビデオのサビ部分を切り抜いたとしても、楽曲の中身とは異なる内容でない限り大した印象にも残らないだろう。

つまり、プロモーションビデオを使い視覚的にも聴覚的にもある程度は想像ができるものより、ある程度視覚的に興味を引くものの方が楽曲のテレビCMとして価値があるのでは無いかと個人的には考えている。今なおこうしたテレビCMは多く存在するが、総じて前者は記憶には残らず、寧ろ画面に鮮烈な興味を持たせる後者のタイプの方が楽曲へ関心を持たせるような気がしてならない。

結局のところ何が言いたいかといえば、郵便配達員役のダンカンがこのCMでいい味を出しているということだ。

 

 

さて、本題に移ろう。

タイトルにもあるとおり保険を解約した3ヶ月後に諭吉が7人死んだという話。

保険と言っても生命保険でも自動車保険でもない。諭吉が死んだと言っても名前が諭吉だった知り合いが死んだということでもない。

お察しの通りこれはスマホの保険であり諭吉とは1万円札のことである。

 

 

 

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※写真はイメージです

 

 

 

月額1000円ちょっとで入れるこの保険。

この保険に加入していれば、液晶の破損やバッテリーの故障があった時に請求金額の8割を負担してくれるというそれはそれは神がかり的な内容。しかし、何を血迷ったのか私は3ヶ月前に突如としてこの保険を解約してしまったのである。

 

解約した理由は簡単で、

「高校生の頃からスマホを使い続けてちょうど10年。一度たりとも壊したことがないのに、今さらぶっ壊す可能性なんて天文学的確率だろ。はい、解約(ポチッ)」ってこと。

今思えば、3ヶ月前に戻ってこの考えに至った自分をぶん殴ってでも止めてやりたい。いや、もういっそのこと指をアロンアルファで固めてやりたい。

てなわけで、私はワンクリックであっさりとこの保険を解約をしたわけだ。

 

そして、時は過ぎ3ヶ月後。

いつものようにアルバイトから帰ってきて即バタンキューを決め込んだ私。気づけば深夜0時50分を過ぎていた。この日はいつも聴いてる「伊集院光 深夜の馬鹿力」の放送日。楽しみにしていた放送を聴き逃すまいと、私はふと思った。

 

 

 

「おっしゃ、スマホを風呂場に持っていって聴こう。」

 

 

 

最新機種になればなるほど防水性、耐水性が上がっていくこの精密機械。もはやスマホは文明が生み出した最高傑作といっても過言ではない。これを風呂場に持っていったところで壊れるわけがないのである。

意図的に浴槽に落とすならまだしもカランの部分に置く分には壊れるはずがない。まして濡れた指で触る訳でもなければ、入浴中にいじる訳でもない以上壊れる要因がないのである。

 

 

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(この隙間のようなところにセッティング)

 

 

なんなら今回が始めてということではなく、過去に何度も行ったことがある。どうしても聴きたい放送がある時はこの秘儀を駆使していた。そして、その度に成功を収めてきたのである。

それだけに私はこの日も自信を持ってこの秘儀に臨んだわけである。まさかそれが、このスマホを終わらせる最後の引き金になるとも知らずに。

 

 

風呂場にスマホを持っていった私。片手にはスマホ、もう片方の手には洗顔料、歯ブラシもろもろを持ち浴室へ足を踏み入れた。

足を踏み入れた瞬間、私は濡れていたタイル張りの床に足を滑らせてしまった。そして、バランスを保とうとした時、あろうことかスマホを握っていた指を解いてしまったのである。

 

そのまま私のスマホは浴槽へ吸い込まれるようにして落ちていった。この時、私の脳内には陸王ばりに「Jupiter」のイントロがゆっくりと流れていた。落ちる瞬間は完全にスローモーションである。

落とした直後、急いでスマホを拾い上げるものの電源が入らない。いつものように作動しないのである。この時、私はスマホが息をしていないことに気づいた。

ピクリとも動かないスマホを隣に髪を乾かす私だが、この時の心情としては「まぁ、明日の朝には奇跡が起きて起動するかもしれない。慌てない、慌てない。」と言ったところだろう。

しかし、翌朝になっても息を吹き返す事はなかった。絶望に打ちひしがれた私は近所にある非正規のスマホ修理店へ持っていった。

そして、私はこう告げられたのである。

 

 

 

 

 

「力及ばず申し訳ありません。ご臨終です。」

 

 

 

 

 

「おい。」

 

 

 

「おい、嘘だろ。」

 

 

 

「返事しろって。」

 

 

 

「おい、起きろって!!」

 

 

 

「起きろよ!!!」

 

 

 

「こんなところで死ぬんじゃねーーーよ!!!」

 

 

 

「これからも一緒に思い出作ろうて言ってたじゃねーかよ!!!!!」

 

 

 

「てか、まだ機種代払い終わってねーんだよ!!!」

 

 

 

「何なら、保護フィルム代も分割だから払い終わってねーんだよ!!!!!」

 

 

 

「どうすんだよ!!!!!!!!!!!!!」

 

 

 

私は店内でセカチュー森山未来さながら「助けて下さい!!助けてくださぁぁあああい!!!!!」と叫びかけたが、グッと溢れる気持ちを抑え会計を済ませた。

担当者によると、水没により基盤が壊れておりその場で直すのは不可能とのこと。今回の場合、時間をかけて基盤を修復させるか機種自体を丸々交換することになり、どちらも同じぐらいの金額がかかる。そして、いわゆる正規店であれば即日対応で機種を交換してくれるとのことであった。

 

 

 

迷いに迷った結果、私は正規店へ行くことを決意し、機種自体を丸々交換してもらうことを決めたのである。

 

 

 

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悲しみの淵に沈みながら正規店へ向かう電車の中iPadで撮った一枚。

スマホが壊れて以降、父親が機種変更した時に抱き合わせで契約させられたiPadと共に私は過ごしていた。

半ば騙されるように契約した父親を嘲笑っていた私だったが、このiPadが無ければ満足に日々を過ごす事もできなかっただろう。

連絡手段もメールだけとなったこの時、まるで後進的な文明の中を生きているような心地だった。LINEを考えた奴はすごい。LINEは神である。

 

 

 

お店に着くなり担当者に水没した旨を伝えると、淡々と機種交換の手続きへと進められた。再度、基盤を確認してもらったが担当者の口からは「今回は基盤も壊れているため機種自体の交換になります。」と一言。

私は「分かりました。お願いします。」と伝え、そのまま最期を看取ることができぬまま別れを告げたのである。

帰り際、担当者から「付いていた保護フィルムはどうされますか?」と聞かれ、私は二つ返事で「いただいて帰ります。」と答えた。私は新品のスマホと亡骸に付いていた保護フィルムと共に帰ってきたのである。

 

 

 

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未だに機種代も払い続けながら、分割で払っている保護フィルム。

 

 

 

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こんな悲しい話はないだろう。機種は手元から消え保護フィルムは価値が無くなった今、私は一体何にお金を払い続けていくというのだろうか。

とどめの一撃ということでもないが、データのバックアップも頻繁に取っていなかったため、最後に機種変更した時のデータのまま復元することとなった。つまり、機種変更した日から今日に至るまでの写真から何から何までデータは無くなることになる。

 

 

 

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私は諭吉を7人失い、そしてデータを失ったわけだ。今となれば痛い出費となった。競馬しかやることがない手取り10万ちょいのフリーターにとって、いきなり7万の出費はもはや制裁である。死活問題だ。

 

 

 

この失敗から私が学んだ事は、

 

 

・たとえ壊さない自信があったとしても保険に入る

・そもそも風呂場にスマホは持っていかない

・こまめにデータはバックアップを取る

 

 

この3つ。たったこの3つを守るだけで救われる命があると言うことを伝えたい。こんな愚か者を今後この世界に生まないためにも心に刻んでくれれば幸いだ。

 

 

 

p.s.おい、安倍。とっとと、10万よこせ。今月請求されるスマホの修理代で人が1人死ぬぞ。